すきっ歯を治す3つの治療法|矯正・ラミネートベニア・ダイレクトボンディングのメリット・デメリット
すきっ歯の治療方法は一つではなく、歯並び全体を整える矯正治療から、歯の形を整える審美的な治療まで複数の選択肢があります。治療法ごとに、治療期間や歯への負担、仕上がりの特徴は大きく異なるため、違いを理解したうえで選ぶことが大切です。この記事では、すきっ歯の治療として代表的な3つの方法と、それぞれのメリット・デメリットを歯科医師の立場からわかりやすく解説します。
▼すきっ歯を治す治療法は?
すきっ歯とは、歯と歯の間にすき間がある状態を指し、先天的な歯の大きさや顎のバランス、歯の本数、舌の癖などが関係して起こります。お子さまの場合は成長とともに自然に改善することもありますが、永久歯が生えそろった後もすき間が目立つ場合は、治療を検討するケースがあります。
すきっ歯の治療には、大きく分けて以下の3つの選択肢があります。
・歯を動かして根本から改善する「矯正治療」
・歯の表面を薄く覆って見た目を整える「ラミネートベニア」
・歯科用樹脂を盛り足して形を調整する「ダイレクトボンディング」
それぞれ目的や適応が異なり、メリット・デメリットも治療法ごとに違います。次の見出しでは、各治療法の特徴を詳しく見ていきましょう。
▼すきっ歯を治す治療法のメリット・デメリット
◎矯正治療
・メリット
矯正治療は、歯に持続的で弱い力をかけながら少しずつ位置を調整し、すきっ歯の原因そのものにアプローチする治療法です。歯を削る必要がなく、歯の根や歯茎を含めた自然な状態を保ったまま治療できる点は大きな利点といえます。
また、前歯のすき間だけでなく、噛み合わせや歯列全体のバランスも同時に整えられるため、見た目の改善に加えて、噛む機能や将来的な安定性も期待できます。治療後は歯並びが安定しやすく、長期的な後戻りリスクを抑えやすい点も、矯正治療ならではの特徴です。
・デメリット
一方で、矯正治療は治療期間が比較的長く、症例によっては1年以上かかることもあります。治療中は定期的な通院や装置の管理が必要となり、患者さま自身の協力が治療結果に影響します。
また、ワイヤー矯正やマウスピース矯正など装置の種類によっては、装着時の違和感や見た目が気になる場合もあります。ライフスタイルや治療にかけられる期間を考慮したうえで選択することが大切です。
◎ラミネートベニア
・メリット
ラミネートベニアは、歯の表面をわずかに整えたうえで、薄いセラミック製のシェルを貼り付ける治療法です。歯を大きく動かす必要がないため、比較的短期間で見た目を整えられる点が特徴です。
すきっ歯の改善と同時に、歯の色や形も調整できるため、「歯のすき間と色味の両方が気になる」という患者さまに適した選択肢となることがあります。セラミックは変色しにくく、自然な透明感が得られる点も審美面でのメリットです。
・デメリット
ラミネートベニアは、健康な歯を少量とはいえ削る必要があるため、元の歯の状態に戻すことはできません。また、強い噛みしめや歯ぎしりの癖がある場合、欠けや脱離のリスクが高まる可能性があります。噛み合わせや生活習慣によっては適応が限られることもあるため、事前に十分な診査と説明を受けたうえで判断することが重要です。
◎ダイレクトボンディング
・メリット
ダイレクトボンディングは、歯科用の白い樹脂を歯に直接盛り足し、すき間を埋めながら形を整える治療法です。多くの場合、歯をほとんど削らずに対応できるため、歯への負担を抑えやすい点が特徴です。
症例によっては1回の通院で治療が完了することもあり、治療期間を短くしたい患者さまにとっては魅力的な選択肢となります。また、他の審美治療と比べて費用を抑えやすい点もメリットの一つです。
・デメリット
一方で、樹脂素材はセラミックと比べると経年による変色や摩耗が起こりやすく、定期的なメンテナンスや再治療が必要になる場合があります。
また、すき間が大きいケースや噛み合わせへの影響が強い場合には、十分な強度や見た目が確保できないこともあります。長期的な安定性を重視する場合は、他の治療法と比較検討することが望まれます。
▼すきっ歯の治療法で迷っている方へ
すきっ歯の治療は、「どの方法が一番良いか」ではなく、「その患者さまにとってどの方法が合っているか」を見極めることが何より重要です。すき間の大きさや歯並び全体の状態、噛み合わせ、歯や歯茎の健康状態、治療にかけられる期間やご希望の仕上がりによって、適した治療法は大きく異なります。
当院では、矯正治療・ラミネートベニア・ダイレクトボンディングのすべてに対応しており、特定の治療法に偏らず、複数の選択肢を比較したうえでご提案できる体制を整えています。たとえば、将来的な安定性を重視する方には矯正治療を、短期間で見た目を整えたい方には審美的な治療を検討するなど、状況に応じた判断が可能です。まずは現状を正確に把握し、メリットだけでなく注意点も含めて丁寧に説明したうえで、一人ひとりにとって納得できる「すきっ歯の治療」を一緒に考えていきます。
▼まとめ
すきっ歯の治療には、矯正治療・ラミネートベニア・ダイレクトボンディングという3つの代表的な方法があります。それぞれ、歯を動かす治療か、形を整える治療かという点で考え方が異なり、治療期間や歯への負担、仕上がりの安定性も変わってきます。「すきっ歯を治療したい」と思ったときは、見た目だけで判断するのではなく、ご自身の歯や歯茎の状態、将来のメンテナンスまで含めて考えることが大切です。まずは歯科医院で相談し、複数の選択肢を比較したうえで、納得できる治療法を選びましょう。