矯正治療の全体の流れを完全解説!初回相談から保定までのステップと費用
矯正治療を始めたいと思っても、「どんな流れで進むの?」「費用はどれくらいかかるの?」と不安に感じる方は多いでしょう。矯正は見た目だけでなく、噛み合わせや将来の歯の健康にも大きく関わる治療です。治療期間が長く費用も高額になりやすいため、事前に全体の流れや費用を正しく理解しておくことが大切です。この記事では、初回相談から治療完了後の保定までの各ステップを詳しく解説し、それぞれの段階での費用目安についてもご紹介します。
◆矯正治療の流れと費用を完全解説
矯正治療は、カウンセリングから始まり、検査・診断、装置装着、調整・通院、そして保定まで、複数の段階を経て進みます。ここでは、各ステップの流れと費用の目安を順に見ていきましょう。
STEP1:初回相談(カウンセリング)
まずは、矯正歯科での初回相談からスタートします。患者さまの歯並びや噛み合わせの状態、治療への希望を伺いながら、矯正治療の概要や使用できる装置、期間、費用について説明を受けます。
内容:口腔内のチェック、治療の方向性や装置の種類、費用の概算説明
所要時間:30〜60分程度
費用目安:無料〜5,000円程度(医院によって異なる)
この段階では、矯正治療を始めるかどうかを決める前の情報収集が目的です。複数の矯正歯科で相談して比較することもおすすめです。
STEP2:精密検査と診断
次に、より正確な治療計画を立てるための精密検査を行います。歯や顎の位置関係、噛み合わせ、歯茎や骨の状態を確認し、適切な矯正方法を診断します。
主な検査内容:
・レントゲン撮影(セファロ・パノラマ)
・歯型(デジタルスキャン)
・口腔内写真・顔貌写真
・咬合分析
費用目安:30,000〜60,000円前後
この検査結果をもとに、矯正歯科医が治療方針を立案し、治療期間や使用装置、総費用などを明確に提示します。診断の質が矯正治療の結果を大きく左右するため、この段階が非常に重要です。
STEP3:治療計画の説明と同意
検査結果をもとに作成された治療計画の説明を受けます。矯正装置の種類(ワイヤー矯正・マウスピース矯正など)や抜歯の有無、治療期間、費用、支払い方法、通院間隔などが詳しく説明され、患者さまが納得したうえで治療を開始します。
費用目安:この段階では追加費用なし(検査費に含まれる場合が多い)
矯正歯科の費用は医院ごとに異なりますが、トータルで約70万〜120万円程度が相場です。
STEP4:前準備(虫歯・歯周病の治療、抜歯など)
矯正を始める前に、口内環境を整える必要があります。虫歯や歯茎の炎症がある場合、そのままでは装置を付けられません。必要に応じて、虫歯治療やクリーニング、抜歯を行います。
内容:虫歯治療、スケーリング、必要な場合の抜歯(主に小臼歯)
費用目安:保険診療で数千円〜1万円程度(抜歯を含む)
この段階を省略すると治療中にトラブルが起こりやすくなるため、丁寧な準備が大切です。
STEP5:矯正装置の装着
いよいよ矯正装置を装着します。装置の種類によって方法や費用が異なります。
主な装置の種類と費用目安:
・ワイヤー矯正(表側):70万〜100万円前後
・裏側矯正(リンガル矯正):100万〜150万円前後
・マウスピース矯正(インビザラインなど):80万〜120万円前後
装置装着時には、歯の表面を清掃し、ブラケットやアタッチメントを丁寧に接着します。装着後は違和感が数日続くことがありますが、1週間程度で慣れる方が多いです。
STEP6:調整・通院(動的治療期間)
歯が少しずつ動くよう、定期的に通院して装置の調整を行います。ワイヤー矯正ではワイヤー交換やゴムの力の調整を、マウスピース矯正では新しいアライナーへの交換を行います。
通院頻度:1〜2か月に1回
治療期間:1年半〜3年程度(症例による)
費用目安:調整料として毎回3,000〜5,000円前後
この期間中は、虫歯や歯茎の炎症を防ぐために丁寧な歯みがきと定期的なクリーニングが欠かせません。
STEP7:装置の取り外し
歯並びと噛み合わせが理想的な位置に整ったら、矯正装置を取り外します。
取り外し後には歯の表面をきれいに磨き、再石灰化を促すフッ素塗布などを行います。
費用目安:5,000〜10,000円程度
この段階で見た目は大きく変わりますが、治療はまだ完了ではありません。ここから「保定期間」に入ります。
STEP8:保定期間(リテーナー装着)
矯正治療で動かした歯は、元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こるため、歯並びを安定させるために保定装置(リテーナー)を装着します。
装着期間:1年半〜3年程度(個人差あり)
費用目安:保定装置作製費20,000〜50,000円/片顎
通院頻度:3〜6か月に1回
リテーナーは取り外し式(マウスピース型)と固定式があり、装着期間や使い方は歯科医の指示に従いましょう。
STEP9:メンテナンスと定期検診
保定期間中も、歯並びや噛み合わせ、歯茎の健康をチェックするために定期検診が必要です。保定を怠ると、せっかく整えた歯並びが戻ってしまうこともあるため、定期的な通院を継続することが重要です。
費用目安:3,000〜5,000円/回
また、歯のクリーニングやフッ素塗布などを通じて虫歯予防にも努めると良いでしょう。
◆矯正治療にかかる総費用の目安
| 内容 | 費用目安 | |
| 初回相談 | カウンセリング・概算説明 | 無料〜5,000円 |
| 精密検査・診断 | レントゲン・模型・分析 | 30,000〜60,000円 |
| 矯正装置 | ワイヤー・マウスピースなど | 70万〜120万円 |
| 調整料 | 通院ごとの費用(1〜2か月ごと) | 3,000〜5,000円/回 |
| 保定装置 | リテーナー製作・調整 | 20,000〜50,000円 |
| 総額 | 全期間の平均相場 | 約80万〜130万円前後 |
矯正歯科の費用は装置の種類や治療難易度によって異なります。治療を始める前に、総額・分割支払いの可否などを確認しておくと安心です。
◆まとめ
矯正治療は「初回相談 → 検査 → 診断 → 装置装着 → 調整 → 保定」という流れで進み、全体で数年を要する長期的な治療です。費用は総額で80万〜130万円ほどが一般的ですが、治療の質や歯並びの安定度を左右するのは、診断力と継続的なメンテナンスです。費用だけで選ぶのではなく、経験豊富な矯正歯科医が在籍し、検査・診断・保定までしっかりサポートしてくれる医院を選ぶことが、成功への近道といえるでしょう。